極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
(そんな顔を見せられたら……)
とんでもないスピードで打ちつける自分の鼓動だけが聞こえる。これ以上樹と見つめ合っていたら、心臓が破裂する。そう思うのに目をそらすことができない。とろりと絡み合う視線は熱く、甘く、どこまでも堕ちていく。樹がぐっと顔を寄せてささやく。
「――やっぱりクラゲだけじゃ物足りない」
彼の指先が繭の唇を割る。樹はちっとも強引ではなく、むしろ繭の気持ちを確認するようにゆっくりと近づいてくる。拒もうと思えば、きっとできた。けれど、繭はそうしなかった。触れてほしいと思ってしまったから。そっと目を閉じた繭の唇に温かいものが重なる。
樹とのキスは初めてではない。だけど、繭は……これが彼とのファーストキスのように感じた。そこにたしかな彼の心を感じたから。込められた気持ちの分だけ、キスは深みを増していく。差し入れられた柔らかな舌が繭の口内を優しく這い、蜜のように甘い唾液が心と身体を溶かしていく。
とんでもないスピードで打ちつける自分の鼓動だけが聞こえる。これ以上樹と見つめ合っていたら、心臓が破裂する。そう思うのに目をそらすことができない。とろりと絡み合う視線は熱く、甘く、どこまでも堕ちていく。樹がぐっと顔を寄せてささやく。
「――やっぱりクラゲだけじゃ物足りない」
彼の指先が繭の唇を割る。樹はちっとも強引ではなく、むしろ繭の気持ちを確認するようにゆっくりと近づいてくる。拒もうと思えば、きっとできた。けれど、繭はそうしなかった。触れてほしいと思ってしまったから。そっと目を閉じた繭の唇に温かいものが重なる。
樹とのキスは初めてではない。だけど、繭は……これが彼とのファーストキスのように感じた。そこにたしかな彼の心を感じたから。込められた気持ちの分だけ、キスは深みを増していく。差し入れられた柔らかな舌が繭の口内を優しく這い、蜜のように甘い唾液が心と身体を溶かしていく。