クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!
Love3
動き出した暴走族
「やばい!遅くなっちゃった!」
五十嵐くんと話を終えて、私は今、廊下を全力疾走していた。揺れる三つ編みをどかしながら昇降口に向かう。
太陽のメッセージに気づいてからだいぶ時間がたってしまっていた。
気づいたら時刻は午後5時をすぎていて、窓の外はすっかり暗い。冬は日が暮れるのが早い。
メッセージを送ったけど返事がかえってこない。もしかして怒っているのかな。
モヤモヤが広がる胸を握りしめながら、廊下を右に曲がった。
良かった、まだいた。
廊下を曲がるといつものように壁に寄りかかっている太陽が目に入る。
だけどそれは穏やかなものじゃなかった。
険しい顔をして、誰かと電話している。
どうしたんだろう………。
不思議に思いながらも近づく。太陽はまだ私に気づいていない。
いつもならすぐに気づいてくれるのに。
「ああ、わかった。何か動きがあったら教えろ。愛華は俺が守る。……じゃあな」