クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!

そんなめんどくさいことを考えるのも嫌だった。でも恋をしてわかったんだ。


将来のことを考えるんじゃなくて今を考えるんだって。そう思ったら、小説で読んできた女の子達がなんで一生懸命恋をしていたのかがわかって。


恋は楽しいものだけじゃなくて、苦しいことも多い。そのことを、太陽に恋して学んだ。



「山川くん」


「はい」



みんなに聞こえないように小声で話しかける。


山川くんにはどうしてもこの間の答えを伝えたかった。



「私……太陽のことが好き。前ははぐらかすようなことしてごめんね。やっと自分の気持ちに気づいたんだ」



内緒話をするように、本で顔を隠す。


今更ながらに恥ずかしい。Moonlightのメンバーに太陽が好きなんて言ったのは山川くんが初めて。



「………そうですか。応援してますよ」



何か聞いてくるかと思ったのにあっさりとそれだけ言ってまたパソコンに目を向ける。
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