クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!
名前で呼んで
「ふわぁ…………眠い……」
眠気に勝てず、大きなあくびをひとつする。重たいまぶたをしぱしぱと動かす。
私は本を片手に、いつも通りの通学路を歩いていた。
だけど、文字を眺めているだけで全く内容が頭に入ってこない。
これも全部、土曜日の出来事のせいだ。
今日は月曜日で休み明け。
私は図書館で借りた本を読もうとするけど集中できていない。
「あの話は衝撃だったなー………」
土曜日は図書館に本を借りに行き、その帰りに秋葉くんのケンカに巻き込まれて、暴走族のたまり場に連れていかれ、衝撃の過去を知った。
その過去を知ったせいで週末は眠れなくて勉強にも集中出来なかった。
私らしくない………。
っていっても混乱するのは当たり前だろう。あの話を聞いて動揺しない方がおかしい。
あれから家に帰ったあと、お母さんに直行で幼稚園の頃のことを聞いた。記憶がないのはなんで、と。でも、お母さんは何もない、の一点張りで頑なに話そうとはしてくれなかった。