秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

「うわあああっ……!」


手で頭を押さえてその場にしゃがみこんでしまう。

ああ……なんて無様な。


「おいっ! 大丈夫か!」


頭を抱える私に触れたのは熱い手。

なにが起きたのかと、そろり、顔を上げると、


「うぎゃっ……!?」


はしたない声を出してしまう。

人って、本当にびっくりしたときは、言葉なんて選んでいられないんだと知る。

だ、だって!

少し濡れた刹那くんの腕が、私を包み込んでいたから。


「あ、あの……」


どうして私は、湯気のたつホカホカの体に包まれているの?

刹那くんは、ドアの向こうにいたはずなのに。


「……ったく。椿のやつ、てきとーに詰め込みやがって」


頭上では、そんな声。

いや、いまはそんなことより。
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