秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

そ、そんなの当たり前だよっ!

この状況でその余裕って、もしかして、刹那くんも女の子に慣れてる?

琉夏くんなら想像通り過ぎてなにも思わないけど、刹那くんが……ってなると、なんだかモヤっとする。

単純に、意外だからって話じゃなくて、なんだろう……このモヤモヤは。

暗くなった視界のなか、思考を巡らせる──と。


「このままさ、一緒に風呂入る?」


なんて言うから、うっかり顔を上げてしまった。

濡れた髪からしたたり落ちるしずく。

水もしたたるいい男を地でいっている彼の破壊力は、私の語彙力のすべてを失わせて。

ドクンドクン……。

駅を出発したての電車のように、急加速していく鼓動。


「も、もうっ……」
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