秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
「……しょっぱい。悲しかったのか?」
「あっ……」
涙が出ていたことに、いま気づいた。
「しょっぱいのは悲しい涙らしい」
「……夢を、見て……」
楽しい夢ではなかったような気がする……。
これからの不安とか、いろいろ。すごくリアルな夢だった。
「そっか」
なぐさめるように頭を撫でてくれる手がとても優しい。
なんだか、すごく落ち着く。
どうしてだろう。
心臓はドキドキしてしょうがないのに、心はとっても落ち着いてるの。
ものすごく至近距離で、今にも触れそうな彼の唇が、小さくうごいた。
「やべ……我慢できねえ……」
その言葉を聞いてハッとする。
「ご、ごめんね。私がこんなところで寝ていたばっかりに」