秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
授業と授業の間の休み時間。
「寧々ちゃんお疲れ。好きなの選んでいいよ」
にょきっと差し出された手のひらには数本のアメ。
顔を上げれば、アメを口に突っ込んだ椿くんと目が合う。
「頭つかったから糖分取らなきゃねー」
なんて言ってる彼は、四六時中糖分を取ってるような気がするんだけど……?
なのに、体脂肪率は確実に一桁台だと思わせるような体つきをしているから羨ましい限り。太らない体質なんだろうなあ。
「あ、ありがとう」
学校へ来てから私が声を発するの、今日初めてかも……。
友達がいない私は、先生に当てられでもしない限り、しゃべる機会がないもんね。