秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
「そうだなあ、なにがいいだろ」
椿くんに振られた刹那くん。宙を見て考える。
考え込む横顔は、正面から見るのとまた違った美しさがあった。
すっと鼻筋が通り、目にかかる前髪からのぞく目はどこか哀愁が漂ってまるで1枚の絵画のよう。
「なんでも作れんの?」
ポーっと見ていたら、急に私に目を向けるからドキッとした。
「まあ……だいたいは……」
「じゃあ、豚汁作ってよ」
「お、いーねーーーー! 豚汁ってうまいよなあ。けど、ここじゃなかなか食べらんないし。あと、揚げ出し豆腐もつけて!」
刹那くんのリクエストに、椿くんがさらに意見を乗せた。
「うん、わかった!」
豚汁は定番中の定番だし失敗の仕様がないから大丈夫。揚げ出し豆腐も結構得意。