秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

豪華な寮へ


私、夢でも見てた……?

窓の外には、ゆらゆら舞い散る桜の花びら。

そうだ。

夢心地みたいな空間で、私は夢を見ていたんだ。

よく考えれば、初対面の私に本気であんなこと言うはずない。

刹那くんは、編入してきて不安な私に、軽いジョークを飛ばしただけなのかも。

うん、きっとそう!


「いっけない!」


それより、寮へ行かないと!

寮長さんが待ってくれているのを、すっかり忘れていた。


寮もこの敷地内に建っているらしく、もらった地図を見ながら向かうけど、とにかく広すぎて探すのが大変。

あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。

しばらく歩くと、目の前に大階段が現れた。


「すごい……」


まるで、ミュージカル劇場の舞台みたい!

好奇心から、タタタタッと駆け上がると、


「あれー、見ない顔だねー」
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