秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
一番好きなものを奪うなんて、ごめんなさいっ!
"ピーチ"と書いてあるアメを戻そうとすると、彼は手を引っ込めて、
「そういう意味で言ったんじゃないから。好みまで似てるんなんて、うれしいなって話」
にっこり笑った。
「はあ……」
モテるだろうな、この人。直感で思った。
すこし強引だけど、全然嫌な感じはしないし。
ただ、明るくて社交的な性格なのだと思う。
「で、どこに行こうとしてたの?」
「寮に行きたいんですけど、ちょっと迷ってしまって……」
「そうなんだ。だったら俺が案内するよ」
ぴょんと立ち上がって階段を下りた椿くんは、おいでおいでと手招きする。