秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

それから、親切な椿くんに連れられて、無事に寮にたどり着いた。


「ここだよー」


軽い口調で椿くんが示した建物を見て、私は声が出なくなった。


「ははは、首、折れちゃうよ」

「だ、だって、これが寮……」


まるで高級ホテルのような建物だったんだもん。

ぱっと見、何階建てかわからないくらい高く、椿くんの言う通り一番上を見上げてたら首が折れちゃいそう……。


「ここに全生徒が住んでるからね。入って西側が女子寮で、東側が男子寮って分かれてるんだ」


なるほど。全員が入れる寮だもんね。

男女建物は一緒で、中で分かれてるんだ。


「あ、蘭子さん!」


椿くんは、寮の前の立っていた女の人を見つけると手を振った。
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