秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

寮に着いたら寮長さんが案内してくれると言われていたんだけど、あの人が寮長さんかな? 


「神代くんが連れてきてくれたの? ありがとう」


腰まで伸びたロングストレートの髪を揺らしたその人は、目鼻立ちがはっきりした美人さん。

年は、20代真ん中くらいかな?

寮長さんって、お母さんくらいの人を想像してたから、あまりの若さにびっくりした。


「お待たせしました」


小走りで近寄って、ぺこりと頭を下げた。


「あなたが来栖さんね?」

「はい、どうぞよろしくお願いします」

「待ってたわ。疲れたでしょ」

「いえ……」


イケメンさんに見られるのもドキドキするけど、美人さんに見つめられてもドキドキする。


「じゃー、俺はこれで。またねー寧々ちゃん!」


椿くんは私を蘭子さんに託すと、手を振って寮を出て行った。
< 23 / 383 >

この作品をシェア

pagetop