秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
寮に着いたら寮長さんが案内してくれると言われていたんだけど、あの人が寮長さんかな?
「神代くんが連れてきてくれたの? ありがとう」
腰まで伸びたロングストレートの髪を揺らしたその人は、目鼻立ちがはっきりした美人さん。
年は、20代真ん中くらいかな?
寮長さんって、お母さんくらいの人を想像してたから、あまりの若さにびっくりした。
「お待たせしました」
小走りで近寄って、ぺこりと頭を下げた。
「あなたが来栖さんね?」
「はい、どうぞよろしくお願いします」
「待ってたわ。疲れたでしょ」
「いえ……」
イケメンさんに見られるのもドキドキするけど、美人さんに見つめられてもドキドキする。
「じゃー、俺はこれで。またねー寧々ちゃん!」
椿くんは私を蘭子さんに託すと、手を振って寮を出て行った。