秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
運命の選挙
朝の光で目が覚めた。
今が一番日が長い時期だから、目覚めが早いのは不思議なことじゃないけど、今日は特別。
──ローズ選挙の日だから。
カーテンを開けて、窓の外を眺める。
「きれいだなあ」
ここから見る朝焼けってこんなに素敵だったんだ。
そういえば、ゆっくり見たこともなかった。
なんだかんだ、バタバタした日をすごしていたんだな。
でも最上階から眺めるこの景色。これが見られるのも今日が最後かもしれない。
そう思うと、なんだか寂しい……。
顔を洗って制服に袖を通して、いつものようにダイニングへ。
焼きたてパンやコーヒーのいい香りが充満するリビングでは、今日も数名の職員さんとともに朝の配膳のお手伝いをした。