秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

選挙の間、ずっと隣り合って座らなきゃいけないなんて。

おどおどしながら座ろうとしたとき、


「……っと」


腕が引っ張られて、そのまま壇上に隅に連れて行かれた。


「せ、刹那くん……」


明かりの届かない暗幕がひかれた舞台袖で、ふたり向き合う。

表情はよく見えないけど……だからこそ、刹那くんを真正面から見ることができた。


「俺は、寧々がローズで居られると信じてる」


私の指先をぎゅっと握る手は、とても冷たい。

いつも温かい刹那くんの手は、少し震えていた。

……緊張してるのは、私だけじゃないんだ。

自分のことのように緊張してくれているんだと伝わって、熱いものがこみあげてくる。
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