秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

左右に自動ドアがあり、ここからは男女ちゃんと分かれるようになっていた。

女子は西側って言ってたよね。

自然とそっちの方へ足が向かったんだけど、


「こっちよ」


蘭子さんが進むのは、正面。

よく見ると、正面にも自動ドアがあり、蘭子さんは手慣れた様子で手首に巻いた”リストキー”と呼ばれるバンドをかざした。

それは鍵みたいで、私もさっき学園長からもらったばかり。

ピッと音が鳴り、開く自動ドア。

椿くんは、西側って言ってたのになあ……。

不思議に思いながら案内されるままついていくと、すぐにエレベーターに乗り込んだ。


「これから寧々ちゃんのお部屋に案内するわね」

「……はい」


ここからもいけるのかな?

とくに疑問も持たなかったんだけど。


「えっ」


エレベーターのボタンは、1階と10階、それから地下1階の3つしかなく。

蘭子さんは、迷いもなく10階のボタンを押す。
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