秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

「うそっ……」


表示されていたのは刹那くんの名前。

連絡先は交換していたけど、いつも一緒にいる環境で、電話を掛ける必要性がそもそもないから、電話はしたことない。

なにがあったんだろうと、しばらく画面を見つめていたんだけど。

あっ、早く出なくちゃ! 切れちゃう。


「もしもしっ……」

『あ、寧々?』


久しぶりに聞く刹那くんの声。

鼓膜を震わせる優しい声に、体中に温かいものがじんわり広がる。


「ど、どうしたの?」


ドキドキが伝わりそうなほど、声が上ずってしまう。


『寧々、今なにしてた?』

「今? えーっと、今日なにしようかなって考えてた」

『で、決まったの?』

「うん。明日みんなが帰ってくるし、大掃除でもしようかなって」
< 304 / 383 >

この作品をシェア

pagetop