秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
3時間かけて、目的地の高原に到着。
日は照っているけど、爽やかな風が吹いているから、いくらか涼しく感じる。
こんなに気温が違うなんて、同じ日本とは思えない!
さすが避暑地で有名なところだ。
緑もたくさんあって、日頃の喧騒を忘れて、穏やかに過ごせそう。
「ちょっとー、焼けちゃうじゃなーい」
大きいつばの広がった帽子にサングラスといういで立ちでバスを降りてきたのは、琴宮さん。
真っ白いワンピース姿は、避暑地に来たお嬢様……を絵に描いたよう。
……ローズ選挙には負けたけれど、彼女は相変わらず元気です。
実は、選挙の後しばらく熱が出てしまったようで寮で寝込んでいたみたい。
さすがにショックだったのかもしれない……と私も心配していたけれど、復活した彼女は、以前よりもパワーアップしていて。
「ちょっとー、暑いんだけど」
今も、取り巻きの子たちが必死で日陰を作ったり、簡易扇風機で風を送ったりしている。
相変わらずだなあ。
同じクラスメイトとして、打ち解けられたらいいなあと思ってるけど、まだまだ無理そう。