秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

「そうだよね? ほら、今日寮まで案内したの俺、椿だよ!」


椿……くん?

今のところ、この学園での生徒の知り合いはふたりだけ。

刹那くんと椿くん。

そのひとり、椿くんがドアの向こうにいる……?

なにがなんだかわからないけど、私は恐る恐る鍵を開けて、ドアの隙間から顔を出した。

そこから見えたのは…………え?


「ほらあ、やっぱり寧々ちゃんだ」


大階段でアメをくれて、ここまで案内してくれた椿くんに間違いない。

明るい笑顔は相変わらずで、やっぱり棒付きキャンディーをくわえていた。

……どうして椿くんがここに?

思わず気が緩んでドアノブから手を離すと、外側から大きく開けられて、私の姿は男の子たちの前にさらされた。
< 37 / 383 >

この作品をシェア

pagetop