秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

「女子寮って……ちゃんとべつに女子寮があるんですよね?」

「ま、まあ、そうね……」


そう言えば、椿くんが言ってた。建物を入って西側が女子寮だって。

西側へ入らなかった時点で、やっぱりおかしかったんだ!


「あの、確認なんですけど、男女同室って……ほかには……」

「えっと……まあ、ここだけよね……」


目を泳がせる蘭子さん。


「なっ……!」


もう頭がくらくらしてくる。

意味わかんないよ。


「だったら私も女子だけの部屋に行かせてくださいよ~」


すがりついてたのみこむけど、蘭子さんは困ったように笑うだけ。


「ね、今日は疲れたでしょ? 明日は始業式だし、話はまたゆっくりしましょう?」


うまく言いくるめられ、子どもをあやすようになだめられて、私は力なくうなずいた。
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