秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

なにこれ……?

私はドアに手をかけたまま固まると、ひとりの女性が私に気づき声をかけてきた。


「おはようございます。もうすぐ朝食の準備が整いますので」

「は、はあ……」


おはようございますって返す余裕もなかった。

一階の食堂へ行くんじゃないの?

ここの人たちはこんな贅沢な暮らしをしているの?

高校生だよね!?

次第に、焼きたてのパンやコーヒーのいい香りが漂ってくる。

椅子は5つあるけれど、食事の数は4人分……ということは、きっと私の分はないよね。


「し、失礼しましたっ……!」


私はバタンとドアを閉めて、寮を出た。
< 48 / 383 >

この作品をシェア

pagetop