秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
「ううんっ、妃花に決まってるよ!」
「あの子は社交性に欠けてるもんね」
「なんてたって、地味だし!」
うわっ。
それって悪口じゃ……。
あの子……と言われた子は、聞こえていないのか、まったく反応することなく本に目を落としている。
「おっはよー」
その時、明るい声で男の子が教室に入って来た。
「神代くんおはよー」
「おはよ~」
口々に挨拶を返されているのは、椿くんだった。
わわっ。
私は思わず体をくるりと180度反転させた。
……そうだ、蘭子さんが言ってたっけ。
あの部屋にいる人たちは、みんな同じクラスだって。