秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

胸を撫でおろしていると、みんながゾロゾロ教室を出て行くから別の不安が生まれる。

どこへ行くの?

どうすればいいのか分からず、椅子に座ったままキョロキョロしていると、


「寧々、これから講堂で始業式なんだ」

「えっ、そうなの!?」


始業式っていう言葉に、私ははじかれるように立ち上がった。

だったら私も行かないと。

廊下に出て、人の波に沿って歩いていく。場所はわからないけど、みんなについていけば間違いないもんね。

でも……隣が気になって仕方ない。


「あ、あの……」

「ん?」

「先に行って……大丈夫だよ?」


刹那くんが、ぴったり私の横を歩いているから。


「なんで? 同じとこ行くのに」
< 58 / 383 >

この作品をシェア

pagetop