秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
胸を撫でおろしていると、みんながゾロゾロ教室を出て行くから別の不安が生まれる。
どこへ行くの?
どうすればいいのか分からず、椅子に座ったままキョロキョロしていると、
「寧々、これから講堂で始業式なんだ」
「えっ、そうなの!?」
始業式っていう言葉に、私ははじかれるように立ち上がった。
だったら私も行かないと。
廊下に出て、人の波に沿って歩いていく。場所はわからないけど、みんなについていけば間違いないもんね。
でも……隣が気になって仕方ない。
「あ、あの……」
「ん?」
「先に行って……大丈夫だよ?」
刹那くんが、ぴったり私の横を歩いているから。
「なんで? 同じとこ行くのに」