秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

「わざと、じゃないん……です……っ」


わずかに震える声。

彼の目をじっと見つめ、嘘じゃないと訴えた。


ああ……編入早々、大変なことをしでかしちゃった。

もしかしたら、退学させられるかもしれない。

お母さんたちはもう海外だし、そしたら私、行くところなくなるっ……。

修理代は何十万? いや、何百万かも。

もちろん私に払える額じゃない。

死んでお詫びを……目にはみるみる涙がたまってくる。


とその時。


「やあ、一条くんじゃないか」


背後から太い声が聞こえて振り向けば、さっき会ったばかりの学園長。

片手をあげながら、にこやかに近づいてくる。


ま、まずいっ! と思った時にはもう遅かった。


「……ん? それは……」


学園長の目線は、イケメンさんが持っている壊れたブローチへ……。
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