秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

えっ。

思わず肩をすくめて咄嗟に周りに首を振ろうとした。

誰かに見られてたら困るもん。

──グイッ。

けれどそんな私の行動は、温かい手によって引き戻された。


「周りは気にしなくていい」


見てるのは、目の前で柔らかく微笑む刹那くんだけ──




やがて始業式が始まった。

学園長の話や、生徒会長さんの挨拶など、どこの学校でもあるような始業式。

指定された座席から見下ろす壇上の眺めは抜群。段々になっているから、話している人の顔がよく見える。

体育館の冷たい床とは違い、やわらかいクッションに守られたお尻。

ことごとく快適な環境に、思わずまぶたが落ちかける──と。


「では、今年のエクセレントのお披露目にうつります」
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