秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
「続いて、芸術部門第1位。2年S組、小鳥遊琉夏」
「はい」
その余韻もさめないまま、次に呼ばれたのは同じあの部屋に住む小鳥遊くん。
さすが。
見た目を裏切らず、左右にひらひらを手を振りながら歩いていく余裕っぷり。
一歩段を降りるたびに、毛先が遊ぶように跳ねる。
「続いて、運動部門第1位。2年S組、神代椿」
「はいっ!」
ひときわ大きな返事をして立ち上がったのは、椿くん。
軽快な足取りで階段を降り、壇上まで到達する。
そんな姿を見送る私は、まだ状況がよく呑み込めてない。
壇上には、刹那くん、小鳥遊くん、椿くんの3人。
蘭子さんの言うトップ4って、これのこと?
「例年ですと、頭脳部門も選出されますが、現時点では本人の都合により保留となっています」