秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~
身長はありそうなのに、すごく細身の体。
もしかして、栄養失調だったりする……?
寮に住んでるんだから、食べ物には困ってないはずだけど。
「アレルギーはないですか?」
「……」
いよいよ彼は答えてくれなくなったけど。
私はタッパーの蓋に、おかずをいくつか取り分けた。
そして、おにぎりも一つ。
もしかしたらお友達とおかず交換ができるかな?と思って、少し多めに持ってきたんだ。
「ここに置いておきますから、少しでも食べてくださいね!」
キーンコーンカーンコーン。
すすと、チャイムが鳴ってしまった。
編入してきたばかりで、このチャイムが何を意味してるのかはまだよく知らない。
けれど、チャイムがなるってことは、もうすぐ午後の授業が近いことは間違いない。
まったく起き上がる気配のない彼を横目に。
「じゃあ、私は行きますねっ」
遅刻なんて絶対できない。私は校舎の方へと走って戻った。