冷めない熱で溶かして、それから。
松野くんがいつ来るのかわからず、ソワソワして何度もドアの付近に視線を向けてしまう。
松野くんには来なくて良いと言ったけれど、ぜったいに行くと言われてしまい、結局私も来てくれるものだと期待してしまっていた。
けれどシフト交代の時間は迫っていて、松野くんは来ないのかなと落ち込んでいたときだった。
「えーっ、本当にここ入るの?」
「凪たちって変な趣味持ち?」
「んなわけねぇだろ!ただ……そう!俺の知り合いがいるからさ〜。な、凪!」
「……」
「おい、無視するなよ!」
女の人たちの甲高い声や、いつも松野くんと一緒にいる、聞き慣れた男の声が聞こえて思わず顔をあげる。