冷めない熱で溶かして、それから。


「あっ、あたし凪のとなりに座りたい!」
「じゃあ私はたかちゃんで我慢しよ」

「我慢ってなんだよ、贅沢の間違いだろ?」
「えー、私も凪くんのとなりが良かったぁ」


 楽しそうに笑う女の人たちは、私よりずっと大人びていて、松野くんのとなりにいても違和感ひとつないなと思った。

 松野くんにはあんな女の人たちとお似合いだなぁって、思ってしまった。


 少し、チクッと胸が痛む。
 こんなこと、今更考えなくてもわかっていたはずなのにな。


「芽依、いまマイナスなこと考えてるでしょ」
「えっ」

「ぜったいに芽依のほうがいいから!見てよあの後輩くんの反応」


 璃花子ちゃんに言われて松野くんを見る。

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