冷めない熱で溶かして、それから。
相変わらず、私と初めて会ったときみたいに面倒くさそうな顔をしていて、女の人たちの話を聞いていない様子だった。
それどころか視線を私のほうへ向けて……って、いつのまにか松野くんがこっち向いてる!
慌てる私を見て松野くんが目を細めて笑い、何やら口パクで私に言葉を伝えてきた。
えっと……か、あ、い、い……かわいい⁉︎
「あらま、芽依の彼氏って大胆ね。あたしも見てるのにかわいいって芽依のこと褒め……」
「こ、声が大きいよ!」
慌てて璃花子ちゃんの口を手で塞ぐ。
それよりもさっき、松野くんは彼氏ではないって言ったのに!
その後、他のお客さんに呼ばれ、松野くんから逃げるように対応へ向かった。