冷めない熱で溶かして、それから。


 けれどまさか……。


「あっ、見つけた」
「……へ」

 昨日の彼が私を探していたなんて。


 学校の最寄駅に到着し、電車から降りたのは私と……昨日の彼だけだった。

 そのため、すぐに彼は私を見つけたようで声をかけられてしまう。


 もしかして私を探していた……⁉︎
 やっぱり昨日のことが許せなかったのかな。

 どうしよう、逃げるべきか。
 逃げたほうがいい気がする。


「やっぱり同じ電車だったんだな」
「あ、えっと……」


 彼は背が高く、すごく圧を感じる。
 私に近づく彼を見ると、まるで逃げるなと言われているような気分になった。

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