冷めない熱で溶かして、それから。





 松野くんから、少し遅くなるから待っててほしいと言われ、私は図書室で待っていた。

 そろそろテストの時期になるため、私は参考書を開いて勉強することにした。


 松野くんを待っている時間はとても長く感じて、何度もスマホを確認してしまう。

 まだかなとソワソワしていると、図書室のドアが開いて松野くんが入ってきた。


 松野くんがいつ来るのかと意識していたのを咄嗟に隠そうとした私は、問題を解いているフリをする。


「先輩、お待たせしてすみません」

 松野くんはすぐに私を見つけ、そばにやってきた。
 パッと顔を上げると、松野くんの手には大量のプリントがあった。

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