冷めない熱で溶かして、それから。


「テスト前日は徹夜ですよ。寝ないで詰め込もうとするんですが、いつも机の上で寝てます」

「……ふふっ」
「あ、いま笑いましたね」

「ごめんね……松野くんと同じこと考えてたみたいで」


 私が考えていたことを松野くんが言葉にしたため、思わず笑ってしまった。


「随分と楽しそうですね、先輩」

 松野くんは笑う私を見て拗ねてしまい、ムッとしていた。
 その表情はどこか幼くて、キュンとしてしまう。

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