冷めない熱で溶かして、それから。


 私まで恥ずかしくなり、慌てて参考書に視線を戻す。


「……先輩」
「な、なんでしょう!」

「今度の休み、こうやって一緒に勉強しませんか?ひとりでやるより断然捗る気がします」


 しばらくして、ふと松野くんが口を開き、休みの日に一緒に勉強をしないかと誘われる。

 それってつまり……休みの日にも松野くんに会えるってこと?


 デートとは少し違うけれど、学校がある日以外にも会えるのは嬉しい。


「私は大丈夫だよ……!学校とか図書館が一番集中できていいかな」

「俺ん家、来ませんか?他に人がいない、家が一番いいと思います」

「家……」


 家って……色々と危ないのでは⁉︎
 いや、松野くんを信用してないとかじゃないけれど……その、やっぱり家でふたりきりっていうのはハードルが高いといいますか。

 付き合ってるわけじゃないしそれはさすがに……。

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