冷めない熱で溶かして、それから。


 最初は特に気にしなかったけれど、立て続けにスマホが鳴り出し、電話かと勘違いするほどの通知音だった。

 ただ、松野くんが起きる気配はない。
 どうするべきか悩んでいると、松野くんのスマホの画面が目に入ってしまう。


 見てはいけないとわかっていたけれど……。


「……っ」

 たぶん、よく松野くんと一緒にいる女の人たちからだろう。
 今から一緒に会って勉強しないかという、誘いのメッセージがあった。


 そりゃ、連絡先ぐらい交換しているよね……。
 クラスメイトだし、連絡先ぐらい……けれど、頻繁に連絡を取り合っているのかな。

 そう思うと、胸がモヤモヤした。
 なんだろう……嫌な感情が胸に広がるこの感じ。

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