冷めない熱で溶かして、それから。


「……ん」

 あまりに音が部屋に響いていたからか、松野くんがようやく音に反応し、ゆっくりと目を開けた。


「あれ……俺、寝てたのか」

 眠たいのだろう、瞼が重そうだった。
 そんな松野くんからは色気がダダ漏れで……これはこれで心臓に悪い。

 嫌な感情が消えようとしていたけれど、松野くんはようやくメッセージに気づいたようで、スマホを手に取った。


「……あ」

 松野くん、なんて返すのかな。
 もしかして、このあと本当に行ってしまうんじゃ……。

 けれど松野くんは数秒間スマホを見つめ、眉をひそめたかと思うと、面倒くさそうな顔でスマホを閉じていた。
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