冷めない熱で溶かして、それから。


「……かわいい」

 先ほどとは違い、いまの松野くんはどこか余裕があった。

 余裕のない松野くんも、余裕がある松野くんも危険だなんて、私はいったいどうすれば……!


 顔が熱くなり、恥ずかしさのあまりギュッと目を閉じる。
 けれどそれが合図となってしまい、松野くんにキスされてしまう。


「俺は先輩しか見えてませんから」
「……うん」

 松野くんの言葉が私を安心させる。
 私も、松野くんの気持ちに応えてないと。


「私も松野くんしか見えてないよ。大好きっ……!」
「……っ、あー、ほんとに先輩って」


 どんどん溢れる気持ちを言葉にした直後、松野くんの表情に余裕がなくなってしまう。

 あれ……と思ったときにはもう、私は松野くんに押し倒されていた。

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