冷めない熱で溶かして、それから。
12.うわさの正体
松野くんのテスト結果は、とても良かったらしい。
順位も上位だったようで、先生も喜んでいたとため息を吐きながら松野くんは話していた。
そんな松野くんはどこか照れくさそうにしていて、きっと褒められることに慣れていないんだろうなぁと思い、どこか微笑ましかった。
テストが終わると、松野くんと過ごす時間がぐっと増えた。とても幸せな時間で、あっという間に月日は流れていく。
季節は冬へと移り変わり、気づけば12月に突入していた。
「最近1年の間で流れてるうわさ、知ってる?」
「うわさ?」
昼休み。
璃花子ちゃんがニヤニヤしながら私の席にやってきて、なんだか嫌な予感がした。