冷めない熱で溶かして、それから。


「そーそー。1年の間で超有名なイケメンの松野凪にはベタ惚れの彼女がいるんですって」

「……うっ⁉︎ゲホッ、ゲホッ」


 予想だにしなかったうわさの内容を聞いて、思わずむせてしまう。
 璃花子ちゃんも慌てて私の背中を軽くさすってくれ、「大丈夫?」と聞かれた。


「だっ、いじょうぶ……だけど」

 そんなうわさが流れてるの……⁉︎
 ぜんぜん知らなかった。


「璃花子、そのうわさ私も知ってる」

「その後輩、見たことあるけどかなり顔が良かったよ。文句なしのイケメン!って感じ」


 たまたま近くの席でご飯を食べていたクラスメイトもうわさを知っていたようで、璃花子ちゃんの言葉に反応していた。

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