冷めない熱で溶かして、それから。
◇
「松野くんの彼女は年上の美人若手社長らしいよ」
「えっ、なんの嘘ですか急に。俺の彼女は先輩だけです」
駅のホームで電車を待っている中、今日のうわさのことを思い出した私はつい口に出してしまった。
もちろん松野くんは即否定……さらっと私を彼女だと訂正する姿に、ドキッと胸が高鳴る。
「松野くんのうわさがね、2年にまで流れてるんだよ」
「そんなうわさ流れてたんですか?」
「……知らなかったの?」
「別に、周りになに言われようが気にしたことなかったです」
松野くんの周りの目を気にせず、自分を貫くその感じ、堂々としていて好きだなぁ。
私とはまるで正反対だ。