冷めない熱で溶かして、それから。


「それより年上の……若手社長?ってなんか俺、ヒモみたいに聞こえません?養われてるみたいな……いや、それとも貢がせてる?」

「ふふっ、確かに。そこまで考えなかったけど、いま思えば……」


 松野くんはうわさの内容を聞いて少し不満そうに口を開き、思わず笑みがこぼれたときだった。


「凪と彼女発見!」
「やっと現場押さえられたぁ!」

 甲高い声が聞こえ、肩がビクッと跳ねる。
 おそるおそる振り向くと、そこには松野くんとよく一緒にいる女の人たちがいた。

 途端に嫌な汗が流れ、心臓の音が速くなる。
 ど、どうしよう見られてしまった……よりによって松野くんと仲のいい人たちに……。

< 173 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop