冷めない熱で溶かして、それから。


「かーわーいい!」
「やだかわいすぎ!凪くんにはもったいない!」

 これは予想外の反応だった。
 ふたりとも、私を見るなり騒ぎ始めたのだ。

 それも、反応を見る限り私に対してマイナスな感情は抱いていない様子。


「……は」

 松野くんも同じように驚いていて、ふたりの反応は予想外だったらしい。


「凪の顔が綻ぶのも納得!」
「お名前教えていただいていいですか?」

「えっ、あ……芽依です」
「芽依先輩!名前もかわいい!」


 最終的にはふたりに挟まれ、まるで私が犬のように抱きしめられたり頭を撫でられたりしてかわいがられる始末。

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