冷めない熱で溶かして、それから。
◇
一週間が経つ頃にはもう、私と松野くんが付き合っていることが学校中に広まっていた。
若手美女社長と付き合っているというウワサは消え、いつしか松野くんが一つ年上の先輩にベタ惚れだというウワサに変わっていた。
「先輩、お待たせしました」
「あっ、松野くん!」
私たちは一緒に帰る約束をしていて、正門の前で待ち合わせしていた。
松野くんは私のとなりに来るなり、そっと手が繋がれる。
さらっとこういうことができてしまう松野くんに対して、手を繋がれただけでもドキッとしてしまう私って……これじゃあどっちが年上かわからない。
いつも松野くんにリードされている気がする。