冷めない熱で溶かして、それから。


「そういえば、もうすぐクリスマスだね!」

 クリスマスは松野くんと家で過ごす予定だ。
 一緒にご飯やケーキを食べたり、テレビを観ながらのんびり過ごす……なんて、とても贅沢な1日になりそうだ。


「そうですね。誰にも邪魔されない家にして正解でした」

 クリスマスはアキちゃんとレイちゃんに誘われていて、みんなでクリスマスパーティーを開く計画を立てていたらしい。

 けれど松野くんにふたりで過ごしたいと言われ、パーティーは別日に開催されることになった。


 あのときの松野くん、ムスッとしていてかわいかったなぁ。
 拗ねた子供みたいだった。

 けれど私も松野くんとふたりで過ごす時間は好きだし、嬉しいと思っている。


 私も松野くんと同じ気持ちだよと心の中で呟きながら、松野くんの手を少し強く握り返した。

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