冷めない熱で溶かして、それから。


「あっ、そうだ。見てみて、クリスマスを盛り上げようと思って、トナカイのカチューシャ持ってきたんだぁ」


 料理を並べる前に、一度松野くんに持参したトナカイのカチューシャを見せる。

 璃花子ちゃんにはサンタのコスプレをしろって言われたけれど、そんなしっかりしたコスプレは文化祭でのメイド服で十分だ。


「わっ、松野くんかわいい!」

 私より先に松野くんにつけてもらうことにした。
 かっこいい松野くんがかわいいに大変身だ。


「結構に恥ずかしいですね」
「そう?かわいくて私は好きだな」

「俺は先輩のサンタコスプレが見たかったです」

「あっ、璃花子ちゃんと同じこと言う!そんなコスプレはメイド服で十分です!」

「また見たかったなぁ、先輩のメイド服」


 松野くんは懐かしそうな顔をしながら、私にもカチューシャをつけてきた。

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