冷めない熱で溶かして、それから。
◇
数日後に事件は起きた。
「凪、大丈夫かなあいつ」
「最近調子悪そうだったからな」
今日もまた、昼休みに璃花子ちゃんの付き添いで購買にやってきた。
そのときに聞いたのは、体操着姿で購買にやってきた男の人たちの集団の会話だった。
凪って、もしかして……?
いや、たぶん違うよね?
つい、凪という名前に反応してしまう。
チラッと上履きの色を確認すると、青色だったため、不安は徐々に膨れ上がっていく。
「あ、孝之が戻ってきた」
「凪はどうだった?」
男の人たちの会話に集中していると、私が知っている顔の男の人がその集団に紛れていった。
──津田くんだ。