冷めない熱で溶かして、それから。


 松野くんの様子を見る限り、どうやら逆効果のようだった。


 それより松野くん、やっぱり頑張って早起きしていたんだ。

 今日を機に、早めの登校をやめてくれたら平和的解決ができたのに……。


「今まで何も言わなくても一緒に行ってたじゃないですか」

「そうだけど……松野くんだって体調壊すぐらいなら早く行かないほうがいいかと」

「そんなに俺の心配をしてくれるんですね、嬉しいです」


 す、すごい棒読み……感情がこもっていない。
 松野くんの圧がすごい。

 松野くんを見なくても怒っているのがわかる。


「じゃあ朝は早く行くのを諦めるんで、俺と一緒に帰ってくれますか?」

「えっ……」
「今日みたいに。それなら良いですよね」

「良くないよ……!」


 松野くんは昨日、私に何をしたか覚えているの?
 あんなことされて……避けないほうがおかしい。

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