冷めない熱で溶かして、それから。


「外で待ってるほうが目立つじゃないですか」
「だけどもし誰かが戻ってきたら終わりだよ……!」

「じゃあ場所を変えましょうか。それならいいですよね?」

「でも移動したらまた誰かと遭遇しちゃうかも……」
「すぐそこなんで大丈夫です」


 松野くんの言葉を信じ、着替えを持って教室をあとにする。

 やってきたのは同じ階にある家庭科室。
 松野くんいわく、穴場らしい。


「ここ、本当に使っていいの……?」

「大丈夫ですよ。今は文化祭の準備期間で、家庭科部も活動してないみたいですし」


 松野くんはためらいもなくドアを開ける。
 中には誰も人がいなくて、松野くんは私を手招きした。

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