契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「……んっ、あ……跡ついてる」
「うん。キスマーク。美冬の肌はすごく白いから赤い跡がすごく映える。興奮する」

「興奮するの?」
「すげー、する。美冬は綺麗だし、スタイルもいい。着痩せするんだな」

「それ、服を脱いだら実際はもっと太ってる……とか」
「ばぁか、違うよ。思ったより胸が大っきいなってこと」

 くすくす笑って槙野は美冬の胸元にもキスをして、その痕跡をつけてゆく。

 エッチするのってこんなに生々しくて、いやらしいというか、隠微な雰囲気になるものなのだろうか?

 美冬には経験がなさすぎて、戸惑うばかりだ。

「ね、恥ずかしい……よ」
「まだなんもしてないのに、感じすぎ」
「してるよ、いっぱい触ってるじゃない。そっ……それに、跡までつけてる」

「してない。いちばん感じそうなところにはまだ触れてもない」
 いちばん……。

「美冬だって喋るほどに余裕があるだろう?」
 どういうことだろうか?
 美冬はさらにドキドキしてきてしまった。

「いっぱいいっぱいだ……よ?」
「余裕だろ」
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