契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「無理じゃない。入る」
 まあ今すぐ?ぶち込んでやってもいいんだけど?
 そんなことを言う槙野に美冬は槙野の腕をつかんで涙目でふるふると首を横に振った。

「しねえよ」
 美冬が怖がっているのを楽しんでいるようにも見えるのだ。

「それでもさっきは結構感じていたからな」
 槙野は美冬のパジャマの下に手をかける。美冬はそれをぎゅっと握って下げさせまいとした。

「だから、痛くしねーって」
「違うのよ、そうじゃないの。さっき、下着を洗濯していいって言われたから、その……脱いで下着は洗濯機に……」

「へえ……エッロ……」
 槙野はかえって目を光らせる。
「じゃあ、この下はなにも履いていないわけだ」

「言わ……ないで」
「やば、美冬って本当に煽り上手だな」
 煽ってない!煽ってないから!

「脱がなければ感じさせられないと思っているところが甘い」
 槙野が美冬を見る目がさらにきらりと光ったのだ。それはまるで肉食獣が草食獣をいたぶる時のようでひどく楽しそうなのだった。
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